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近所に住む野生動物たち

庭から突然牛

スイスは自然が豊かと言いますが、大都市はやはり人と車であふれており、動植物の生きる場所は限られます。野生動物を見たければ人里から遠く離れた山や森へ行けばいいのですが、運良く動物に出会うまで何時間も何日もじっと待たねばなりません。我が家は谷間の田舎町の町外れにあるので、あまり苦労せず一年中野生動物を観察することができます。リスやキツネ、アナグマなどの小さい動物から、鹿やアイベックス(アルプスの岩山に住むヤギの一種)といった大きなものまであらゆる動物が家の庭を横切っていきます。横切るだけならいいのですが、彼らは庭の植物、とりわけ果物を目当てに来るようで、毎年春には柔らかい新芽をかじられ、夏の終わりから秋の夜中にはリンゴや梨、クルミなどを根こそぎ持っていかれます。冬のある晩、ドアを叩く音がしたのでのぞいて見ると、何と成長した大きな牡鹿が玄関脇のシュロの木の葉をかじって食事の最中で、角がドアに当たってノック音になってびっくりしたこともあります。

野生動物による突然の家庭訪問は度々あるものの、毎回カメラが手元にあるわけではないので、急いでカメラを構えたときにはもう被写体がいなくなっていたり、辺りが暗くて写真の出来がよくなかったりと、動物写真はやはり難しいものです。それでも運良くカメラにおさめることができた動物達をいくつかご紹介します。



オオヤマネ (Glis glis)
夜、キウイを盗みにやってきたところを撮影しました。オオヤマネは西ヨーロッパに広く分布しており、作物を荒らしたり屋根裏部屋に入ってきたりするので私は害獣だと思うのですが、スイスでは動物保護法で守られており、狩ったり殺したりすることは禁じられています。フラッシュ撮影をすると硬直して目暗になるようです。毛の生えた長い尻尾はそっと触ることができます。ドイツ語でオオヤマネはSiebenschläfer(七眠り)と言います。7か月以上冬眠することから付けられた名前なのでしょう。


キタリス (Sciurus vulgaris)
春から夏に庭中を駆け回り、あらゆる作物を盗んで行きます。秋にはクルミやヘーゼルナッツを集めて庭の薪置き場の裏で宴を催し、食べ残しの殻を散らかします。体毛は赤茶色だったり灰色だったり季節によって色が変わります。フサフサの耳と尻尾が可愛いので、始めのうちは愛らしく見えますが、毎年庭を荒らされるとやはり害獣に思えてきます。


ヨーロッパヤマネ (Muscardinus avellanarius)
近所を散歩していたら、ふと何かが足元を横切りました。見ると小さなかわいいネズミがちょこんと隠れています。ドイツ語でHaselmausと呼ばれる野ネズミで、日本名はヨーロッパヤマネ。木の上で過ごし地面に降りることは滅多にないそうですが、私はよく道路脇の落ち葉の辺りで見かけます。子供の手のひらにすっぽり収まるくらいの大きさで、栗色の毛に黒い大きな目、フサフサの尻尾でペットにして飼いたいくらいかわいい動物です。



ノロジカ(Capreolus capreolus)
近所の高速道路高架橋付近で冬に撮影しました。栗の木がたくさん生えているので、地面に落ちた実を探していたのでしょう。体長は1メートルに満たないほどで小さく、母親と子供でしょうか。お尻の毛は白く、その他は灰色に近い冬毛です。


モリアカネズミ(Apodemus sylvaticus)
一般にWaldmaus/Wood mouse(森ねずみ)と呼ばれています。バイオハザードは関係ありません。ヨーロッパで最も広く生息するネズミの種類です。木登りが上手で、どんぐりやブナの実、ヘーゼルナッツなど木の実や木の芽から小さな昆虫まで何でも食べる雑食。夜行性なのですが、夕方近所を散歩中に出会いました。まだ幼い小ネズミだったので、物怖じもせず好奇心旺盛にあちこち走り回ったりカメラを見つめたり、道路を横断してみたりと好き放題に危険なことをしていました。


アイベックス(Capra ibex)
ヤギ属に属する哺乳類の一種で、主にアルプス山脈に生息しています。お隣のグラウビュンデン州では州の紋章にも使われています。スイスではアイベックスの生体調査が行われていて、個体数を数えています。2011年には17147体のアイベックスが確認されており、イタリア北部と合わせてアルプス全域の4分の3を占める数がこの地域に生息しています。これは2015年の夏に近所の山の上の発電所付近で見つけたものです。耳に調査のための黄色いマークが付いています。






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