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ユーロの偽札の見分け方



2002年に共通通貨ユーロが導入されて以来、欧州主要国間の旅行は大変便利になりました。以前はヨーロッパ6カ国周遊ツアーなら財布を6つ用意して、各国通貨に両替し、買物の度にレートを計算して、と面倒だったのが、今はユーロ1つで済んでしまうのですから、非常に簡単です。それでも、慣れないお金を使って買い物をするのはやはり大変。大きすぎる紙幣を出してしまったり、お釣りを間違えて渡されたり、不利に両替されたり、最悪の場合は偽札を握らされたり・・・。ユーロは世界で米ドルに次いで重要な通貨なので、偽札もそれなりに出回っています。レジに「100ユーロ以上の札お断り」「両替はいたしません」など張り紙をしている店も多く、20ユーロ札すら受け付けてくれないキオスクもあります。店のレジに紙幣を調べる機械が置いてあり、お札を出すと店員が本物かどうか調べてから会計をするのも日常茶飯事。偽札は作るのも使うのも犯罪です。偽札と知らずにそれを出した時点では犯罪になりませんが、偽札と交換した本物のお金は戻ってきません。そのため、怪しい両替所で受け取ったユーロ紙幣が偽物だと気づいて後から警察に届けても、泣き寝入りです。偽札に遭遇せずに旅行できるのが一番ですが、万が一のときのため、ユーロの偽札の見分け方を知っておきましょう。

ユーロには5、10、20、50、100、200、500ユーロの紙幣と1、2、5、10、20、50セント、1ユーロと2ユーロのコインがあります。200ユーロや500ユーロ紙幣はあまりお目にかかることがありません。使えない店も多いので、両替の際は額面の小さい紙幣にしてもらいましょう。以下、ドイツ連邦銀行が紹介しているユーロ偽札の基礎知識です。

ユーロ紙幣は偽造防止のために様々な特殊加工が施してあります。まずは真偽を確かめる4つの大原則を挙げておきます。

1 触る
紙幣の表面を触ってみましょう。特に、特殊インクで印刷された部分に注目してください。紙幣上部の各国語で「欧州中央銀行」の頭文字が表記された部分、額面、窓や扉などが浮き彫り印刷されているのがわかります。ただし、あまりにも古かったり使い古された紙幣ではこの特徴が確認できないことがあります。

2 見る
紙幣を光にかざして見ると、透かし、中央の糸状セキュリティー線、2色でバラバラに印刷された額面の透かし印刷が確認できます。この3つの特徴は紙幣の表、裏両面から読み取れます。

3 裏返す
紙幣を裏返してみましょう。ホログラム部分は、表から見ると、小額紙幣はユーロのシンボルと額面、高額紙幣は建築物のモチーフと額面が映るようになっています。これを裏返す時に反射させると、小額紙幣は虹彩線が、高額紙幣は様々な色が識別できます。

4 確認する
もう一度上記の全ての特徴を確認しましょう。一番良いのは様々な特徴の組み合わせを読みとる紙幣自動識別機を使って真偽を確かめることです。


次に偽造防止の特徴を1つずつ細かく見ていきましょう。
1.凹版印刷
2.透かし
3.セキュリティー線
4.透かし印刷の額面
5.ホログラム
6.パール光沢帯、虹彩紋様
7.マクロ印刷
8.紫外線反応、蛍光繊維


1.凹版印刷
凹版印刷技術により、紙幣の表面には手触りで真偽を確認できる個所があります。1つは紙幣上部の「欧州中央銀行」の略を各国語で並べた部分、額面、窓と扉の絵が浮き彫りになっています。ちなみに略号の元の単語は以下の通りです。

BCE=Banco Central Europeo, Banque centrale européenne, Banca centrale europea(フランス語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、アイルランド語)
ECB=European Central Bank(英語、オランダ語、デンマーク語、スウェーデン語) EZB=Europäische Zentralbank(ドイツ語) / EKT=Europaiki Kentriki Trapezaギリシャ語) EKP=Euroopan Keskuspankki (フィンランド語)

高額の200ユーロと500ユーロ紙幣においては、目の不自由な人も簡単に区別ができるように表面が粗い特殊な紙が使われています。
2.透かし
紙幣を光にかざすと、表裏両面の印刷がない同じ部分に透かしが現れます。建築物モチーフの多色調透かしと額面の線画透かしが確認できます。透かしは紙の製造工程で厚さを変えることにより挿入され、他の部分より明るかったり暗かったりするのが様々な個所で見られます。
3.セキュリティー線
ユーロ紙幣の中央部分を逆光にかざすと、暗い帯状の線が上から下まで入っているのがわかります。更によく見ると、EUROの文字と額面が、標準と鏡像で交互に書かれています。
4.透かし印刷の額面
紙幣の表面の左上の角の額面は2色の異なったインクを使って印刷されています。表と裏それぞれに分けて印刷されたバラバラの模様が組み合わされて額面が読みとれるようになっています。
5.ホログラム
小額紙幣と高額紙幣にはそれぞれ異なったホログラムが使われています。
5、10、20ユーロ紙幣では、表面の右端にホログラム帯が上から下まで入っています。紙幣の角度を変えるとユーロ記号か額面の数字(それぞれ5、10、20)が虹色に反射して読みとることができます。さらによく見ると、ホログラムフィルムの縁のミシン目状のユーロ記号を確認できます。
50,100,200、500ユーロの高額紙幣には、表面の右側に特殊なホログラムフィルムが使用されています。紙幣を見る角度により額面か、紙幣に印刷されているものと同様の建築物のモチーフが虹色に現れるようになっています。逆光にかざしてよく見ると、フィルムの縁に送り穴状のユーロ記号が見られます。
6.パール光沢帯、虹彩紋様
小額紙幣と高額紙幣にはそれぞれ異なった特殊フィルムが使用されています。5,10、20ユーロ紙幣の裏面にはそれぞれ中心部のセキュリティー線と同時に黄色系のパール光沢帯が入っています。帯の色は紙幣を見る角度によって薄い黄色から濃い黄金色に変化し、ユーロ記号と額面が交互に印刷されているのがわかります。50、100、200、500ユーロの高額紙幣には虹彩紋様が使われています。裏面の右下の額面が、紙幣を見る角度によって赤紫、オリーブグリーン、又は茶色に変化します。
7.マクロ印刷
虫眼鏡を使って紙幣を見ると、いくつかの個所に無数の小さな文字が印刷されているのがわかります。0,8ミリメートルの書体は肉眼でも確認できます。0,2ミリメートルのマクロ文字はルーペを使わないとまず読みとることができません。このマクロ文字も、本物の紙幣であれば歪みやにじみがなく鮮明にくっきりと印刷されています。
8.紫外線反応、蛍光繊維
紙幣にブラックライトを当てると以下の特徴を確認することができます。
1. お札の紙自体は発光しないで暗いままである。
2. 紙に使われている特殊な蛍光繊維は、赤、青、緑の3色に光る。
3. 紙幣の表面には2つの色が確認できる。青色はブラックライトの下では緑色になり、黄色はオレンジ色になる。EU連合の旗と欧州中央銀行総裁の署名は緑色、星の模様はオレンジ色になる。
4. 紙幣の裏面は全て黄色でヨーロッパ地図、橋、額面が読みとれる。

ただでさえ慣れない通貨なのに、こんなにたくさんの特徴を全て把握できるはずはないので、全部覚える必要は全くありません。しかし、万が一偽札に遭遇してしまった時に「おかしいな」と思えることは大切です。単に知識としてお札の特徴を知っているのもまた楽しいものですから、旅の途中でウンチクを語ってみるのもいいでしょう。

ところで、スイスは欧州の真ん中にありますがEUに加盟していないので、旅行の際は別途スイスフランが必要です。イギリスはEU加盟国ですが通貨はイギリスポンドなので、気を付けましょう。北欧、東欧も事前に通貨が何か調べておきましょう。ヨーロッパだから全部ユーロで大丈夫、というわけではないのです。





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