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イタリアで大声で話題にしてはいけないこと

イタリア人と会話していて、とある単語を口にした途端
周囲が凍りつきました。さて、その単語とは何でしょう
Big Brother is watching you
答えは、「マフィア」。日本人にとっては、マフィアと言えば映画に出てくる、黒いスーツにサングラスで黒い車に乗って悪い事をする、どこかちょっとマヌケな憎めないオジサン、程度のイメージですよね。しかし本場イタリアの彼らはそんな生易しいもんじゃありません。まず、マフィアと一口に言うのは間違い。「マフィア」というのはシチリア島を拠点とする勢力グループのこと(コーザ・ノストラとも言います)。ナポリ周辺のグループは「カモラ」、長靴のつま先あたりのカラブリア州のグループは「ンドランゲッタ」。マフィアという名称が世界的に有名になってしまい犯罪組織の代名詞のように使われているので、悪い人は全部マフィアだと思われがちですが、違います。

イタリアではたぶん政府より警察より何より「マフィア(私も総称として使わせていただきます)」の権力が強いと思われます。いや、行政とマフィアはたぶん一心同体なのでしょう。金融関係はもちろん、建設業、公共事業、ゴミや廃棄物処理関係、農業、日曜の市場の屋台の場所から商店街の店の権利に至るまで、たぶんマフィアが関わっていない業務は存在しないんじゃないかと思います。北イタリアは少し平穏ですが、南のほうは大っぴらに荒れています。彼らを批判するジャーナリストは明日の命が危ないので国外逃亡したり、警察の保護の下に匿名で密かに暮らしています。イタリアのラジオ第一放送(RAI1)を聴いていると、深夜に数分間「マフィアに受けた被害コーナー」というのがあり、息子を殺された母親の嘆きなどを毎日のように聴くことができます。ラジオ局の担当者の身の安全が気になります。

ドイツやスイスでは日本同様、マフィアについては詳しく知られていません。ドイツ人は「マフィオーズィー」などとお茶目にマフィアを語ります。映画「ブルースブラザーズ」のイメージです。

先日イタリアのピッツェリアに行ってイタリア人と不動産の話をしていたとき、北イタリアと南イタリアの気質のことが話題になりました。日本人で事情に疎い私は、お茶目な「マフィオーズィー」感覚で「北イタリア人はみんな真面目でしょ、でも南部はみんなマフィアだよねぇ」などと普通の声量で発言。そのとたん、話し相手のイタリア人の顔から笑いが消えて空気が凍りつきました。彼は恐る恐る周囲を見回して、幸い近くに会話を聴いている人が誰もいないのを確認してから、こっそりと小声で「うん、ナポリあたりはかなりやばいよ。」と答え、すぐさま話題を変更。私は最初事情が呑み込めず、何が起こったのかさっぱり分かりませんでした。後からイタリアにおけるマフィアの恐ろしさや店舗営業者への恐喝なんかがあるのを思い出し、ああ、あれはタブー発言だったんだ、と実感。もし隣のテーブルでナポリやシチリアのその筋のお客さんがピザを食べていたら、私は今頃三途の川を渡っていたかもしれません。

教訓 イタリア旅行の際、彼らの名前は絶対口にしないこと!






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