ヨーロッパで暮らす ー 日独伊+瑞 日々の生活   メール
Home 日常生活 観光、旅行 お料理、レシピ その他あれこれ
外国人の外国語の発音

LとRって一口に言っても
いろいろあるのよ
日本人はLとRの区別ができないとよく言われます。外国の映画に登場する日本人は大抵わざとおかしな発音で東洋の馬鹿物といった感じで喋ります。小柄でみんな似たような地味な服装でカメラを持って整列してバスから降りてくる団体、という日本人のステレオタイプは今も健在で、ドラマの1シーンで小馬鹿にされるのはお決まりです。私に言わせてもらえば欧米の団体観光客も全く同じことをやっている上に、彼らは服装と体型がだらしない分日本人よりよっぽど笑いのネタになると思うのですが、地球はまだ白人至上主義ですから仕方ありません。ところで彼らは日本人(中国人や韓国人、アジア全体)の外国語の発音を下手だと馬鹿にしますが、それなら自分たちは外国語をネイティブスピーカーのように美しく喋れるのでしょうか。私の答えはハッキリ「ノー」。ラテン系、ゲルマン系共に似たような語彙が多くても、発音の仕方は全く違うのです。アルファベットがほぼ共通なので目で読めてしまうから皆さん母国語のルールに合わせて発音していますが、例えば「chi」という綴りでも言葉によって読み方はヒ、とかチ、とかキ、だったり、シだったり異なるのです。Chianti(キャンティ)というイタリアのワインをドイツ人はシャンティーと言って笑われ、Sprinter(シュプリンター)というドイツの車をイタリア人はスプリンテルと言うので通じなかったり。以下私が日々観察して気付いた外国人の外国語の発音の特徴を挙げてみます。

アメリカ人とイギリス人のドイツ語
Rの発音がおかしい。ドイツ語のRは軽い巻き舌か、喉で鳴らすような発音だが、彼ら(特にアメリカ人)はいわゆる英語のベラベラRで喋る。またドイツ語は単語を1つ1つはっきり区切って子音まではっきり発音するが、アメリカ人はベラベラっと続けて読むためドイツ語がスラングのように聞こえておかしい。

ドイツ人の英語
単語を1つ1つはっきり発音するので、ネイティブ英語に慣れていない日本人にはむしろ聞きとりやすいこともある。しかしaとeの中間の曖昧な音の区別がなく、aで表記されるものは全て「エ」と発音されるので少々うっとうしく感じる。Rは英語っぽいベラベラっとした音にしようとやけに強調されるのでまたうっとうしい。

イタリア人の英語
絵に描いたようなイタリア訛りで、英語の文章をそのままイタリア語として読んでいる感じ。Rは強烈な巻き舌、イントネーションはイタリア語そのもの、語末が子音で終わる単語はうまく発音できないので、何でも終わりにoやaが挿入される。ちなみに映画「ロードオブザリング」のピピンは名前をピピーノに変えられた。

スイス人の英語
ドイツ人とイタリア人を合わせて2で割ったような何とも耳触りな英語。田舎臭いのか傲慢なのか、とにかく決して心地よいものではない。

フランス人のドイツ語
やわらかくまったりと流れるようなやさしいドイツ語。しっかりと発音されるはずのHの音が抜けたり、「ッヒ」という鋭いch音が柔らかい「シ」になってしまうので、演説されても全く説得力がない。

ドイツ人のフランス語
フランス人のドイツ語よりドイツ人のフランス語のほうがマシな気がするが、やはり発音は硬いしフランス語独特の甘い鼻母音や流れるリエゾンがぎこちない。愛を語るというより説明書を読みあげている感じがする。

ドイツ人のイタリア語
巻き舌が巻き切れず中途半端。「ボンジョーるノ!」が「ボンジョアノ」、「ペる・ファヴォーれ」が「ペアファヴォーア」なんて具合で情熱の国イタリアを満喫したいのだけど恥ずかしくてできないわ、と躊躇している感じ。

イタリア人のドイツ語
英語同様、ドイツ語をイタリア語としてそのまま読んだような発音。ウムラウトが上手に発音できる人はあまりいないので、無視して違う単語にされることもしばしば。

スイス人のドイツ語
あれ、スイス人って母国語がドイツ語なのでは?否、スイス人は各地で異なるスイスドイツ語を話すので、標準ドイツ語はできない。頑張って標準ドイツ語を話そうとしても、イントネーションが違うので方言のように聞こえる。これがコンプレックスでドイツ人との会話を嫌うスイス人も大勢いる。

いかがですか。欧米人は日本人を笑うけれど、自分達だって決して褒められたものではないのです。ちなみに彼らの外国語の文法もめちゃくちゃ。通訳やジャーナリズムなど職業でしっかりと外国語を使える人は別として、一般の旅行者や店員などはひどい片言の外国語で通すのがほとんどです。だから、私たちも郷に入っては郷に従え、文法も発音も気にせず、まずは自分の意思を伝えられればいいのです。もちろん正しい文法できれいな発音ができれば良いに越したことはないのですが。一目置いて扱ってもらえますから。

+++
余談ですが、イタリアのラジオで日本の思想について紹介する番組がありました。DJがイタリア人の日本学教授と対話をするのですが、話の中で日本文学の一節を例に挙げるとき、DJが「「こんにゃく物語」からの抜粋です。」と言い、教授が慌てて「こんじゃく」と言い直すシーンがあり、私は思わず吹き出してしまいました。今週のベストセラーは、ダイエットに励む女の子の切ない恋のストーリー
「コンニャク物語」。更にこれがドイツ語に訳されると、コンニャクダイエットに成功した女の子が憧れの同僚と結ばれる「こんやく物語」になります。ヨーロッパ人は「ゃゅょ」の発音が苦手なので、「京都は「キヨト」、東京は「トキヨ」今昔は「コンニャク」や「コンヤク」になってしまうというわけです。
+++





+企業の商品開発アンケートやサンプル商品調査に参加して、ポイントに応じて現金や商品がもらえます+
マクロミルへ登録

Home 日常生活 観光、旅行 お料理、レシピ その他あれこれ


Copyright(C) 2012 Washira All Rights Reserved. フリー素材*ヒバナ *  *
inserted by FC2 system