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日本で親知らずを抜く

36歳の誕生日に2回目の親知らず抜歯をする羽目に。
抜いた歯は記念にもらって帰りました。
ドイツで抜く場合は
こちら
ドイツで右上の親知らずを抜いてから5年あまりが過ぎた頃、左上の奥歯の横がなにやら膨らんできた感じがしました。数週間様子を見ていたら、歯ぐきの中から白い歯がちょこんと角を出し、数ヶ月後には2ミリ程度の高さで歯の面積全体が出てきました。前回とほぼ同じ状態で斜め下に向かって生えていて、以前のレントゲンを見ると明らかに親知らずが出てきたことが分かります。痛みや腫れは全くありませんが歯磨きをするとき邪魔になるのと物を食べるとその部分に詰まって厄介なので、これはもう少し生えてきたら抜歯しないといけないな、と思っていました。

しかし、一定の高さまで生えてきたらこれ以上出てこなくなって成長が止まってしまいました。自分で見た感じだとペンチでつかんで引っこ抜くには高さが足りないような気がして、抜くためには周囲の歯ぐきにメスを入れなければいけないのでは、などいろいろと妄想をして歯医者に行くのをためらっていました。

そんな折に日本に一時帰国する機会ができたので、毎回帰国のときの習慣にしている歯のクリーニングと定期検診のために両親が住んでいる鹿児島市の歯医者さんに行きました。2年ぶりくらいでしたが、前回指導を受けた通りにしっかり歯磨きをしていたので虫歯もなく、上下の歯石を一度に取ってもらうだけで済みました。親知らずのことを相談したら、日本に1週間程度滞在するのであれば抜いてしまったほうがいいですよ、と言われましたが何となく決心がつかず、「抜いたらこの後3日間くらい食事も楽しめず、念願の温泉や湯船にも入れず貴重な滞在時間が無駄になるのでは」「もし激しく痛みだして帰りの飛行機で耐えられなくなったらどうしよう」などと考えて、やっぱり帰ってからそのうちドイツで抜こうと決めかけていました。

最後の仕上げに歯のクリーニングをしてくれた衛生士の若い女性が、診察台を戻しながら「親知らず、私も先日抜いたんですけど、上はすごく抜きやすいから大丈夫ですよ。この際抜いて行かれたらどうですか?」と言いました。
「でも、抜いたら後が大変で食事もできないし大事になりませんか?」
「麻酔が切れたら普通に食事をして平気ですよ。」
「抜くのが大変じゃないですか?」
「麻酔が効くまで15分くらい、そのあと抜くのは5分くらいでできますよ。お風呂は当日だけシャワーで、次の日から普通に入れます。激しいスポーツとお酒とタバコは当日だけ控えてください。抜いた後も痛みはほとんどありませんから、痛み止めを飲むだけで大丈夫ですよ。」
と、私の不安を全て解消する情報をいただいたので、それならいっそのことここで抜いてしまおうかと考えを改めて、明日の朝一番に抜歯することに決めて予約を取りました。一応麻酔をして横になっての手術なので、あまり朝ごはんを食べ過ぎないように、と注意を受けて家に帰りました。

さて、次の日の朝9時に歯科医院に行ったら受付をしていた院長の奥様に「覚悟はできましたか?」と聞かれて「やっぱり痛いのかな」と少々不安になりましたが診察室に入りました。全体のレントゲン写真は2年前に撮ってあったので、今日は抜歯をする左上の奥歯だけを部分的にレントゲン撮影し、塗る麻酔をしてから最初の注射を打たれ、10分くらい置いてから2回目の麻酔をしてもらいました。1本目がしっかり効いているので2本目はほとんど何も感じませんでしたが、後味がバナナのようなおいしい注射だったのを覚えています。ドイツの麻酔は苦くてまずかったので、日本の麻酔は気が利いているなぁ、などと思いながら待ちました。
麻酔がしっかり効いたタイミングで先生が来て、奥歯のあたりを触って痛くないのを確認して、いよいよ抜歯をすることになりました。目の前には大小さまざまなペンチや日曜大工の道具のような工具が並べられているので何をされるんだろう、と心配していたら、考えを読んだように「これ全部使うわけじゃありませんから」と言われて安心。診察台を倒して口を大きく開けて、先生がもう一度レントゲンの画像を確認してから歯を何か道具で引っ張っているようですが、目隠しの布のようなものを当てられているのでよくわかりません。様子を見ながら少しずつ力を入れて、「では抜きますよ」と言われて数秒後に「抜けました」とのことでした。ちょっと引っ張られたかな、程度の刺激しかなく、あっけなく抜けました。傷口からの出血もほとんどなくきれいだそうで、抗生物質を塗ってうがいをして終わりです。ガーゼや綿を噛む必要もありませんでした。家でうがいや歯磨きをするときの注意点を聞いて、痛み止めと抗生物質を3日分もらい、2日後に消毒のためにもう一度来るように言われて終了です。麻酔も入れて全部で30分程度の作業で、本当に楽でした。

家に帰って2時間くらいで麻酔が切れてきましたが、特に目立った痛みもなく血が止まらなかったりする様子もないので普通に右側を使って昼ごはんを食べ、午後も普通に活動しました。その日は一応2回食後に痛み止めを飲みましたが次の日は全く痛くないので飲むのを止めました。食事も普通に食べて、お風呂はシャワーにしておきましたが軽く入っても平気そうでした。腫れることもなく順調で、消毒のために歯医者に行ったらきれいに血栓ができていて問題なさそうだということで、もう一度傷口に抗生物質を注入してもらい、うがい薬をもらって終了でした。前回は麻酔をしていたので、この抗生物質の味があまり分かりませんでしたが、今回は死ぬほど苦く感じて口の中がひどい味で、抜歯よりも抗生物質の注入のほうが辛く感じるほどでした。麻酔はバナナ味なのだから、どうせならこれもメロン味とか美味しいものにできなかったんだろうか、と少々疑問に感じましたが、まぁ見事にきれいに抜歯できたのだから文句は言えません。かかった料金は保険なしの全額自己負担で11000円ほどだったので、ドイツの半額以下、スイスの5分の1以下です。


ドイツでも日本でも、上の親知らずは比較的簡単に抜歯できて生え方や歯根の形が悪くなければ無痛で数秒のうちに抜けるものだとわかりました。歯科医院や先生ののコンセプトによると思いますが、ドイツは抜いて鎮痛剤を2錠ほど渡されて終わりだったのに対して日本では抗生物質と鎮痛剤が3日分、更に抜歯後の経過を見る検診があってうがい薬の処方、とかなり丁寧でした。私は幸い健康なのでドイツで抜いただけの傷口もきれいに治ってトラブルはありませんでしたが、化膿したり血栓が撮れて激痛を伴ったりするケースもあるようなので、安心料として多少のお薬はあったほうがいいかもしれません。経済的には保険を適用しなくても日本で抜いたほうが安いので、抜歯を検討している方は海外移住の前や一時帰国中に日本でかかりつけの歯医者さんに相談してみるのをおすすめします。





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