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ドイツでドイツ人と結婚するには その2

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前回は日本で揃えるべき書類について説明しました。
今度は無事ドイツに到着して、こちらの役所とどう戦うのか工程を追ってみましょう。

怖ーいドイツの
お役所と初対決!

婚姻手続きをするのは各市町村の戸籍役場 (Standesamt)です。大抵は街の中心にある市役所の建物に併設されています。ちなみに住民課(Einwohnermeldeamt)も同じ建物内にあることが多いので、住所が決まっているなら住民登録も済ませておきましょう。
日本で揃え直した貴重な書類の有効期限が切れないうちに婚姻手続きを済ませようと、ドイツに到着してこれから住むことになる旦那の実家に着くやいなや、早速市の戸籍役場に電話して手続きや必要書類について聞きました。電話に出たのは中年女性と思われる担当職員。
「ドイツ人と日本人で婚姻手続きをしたいのですが、何をすればいいのでしょうか。」
「何?誰が誰?」
「夫がドイツ人で妻が日本人です。」
「夫のドイツ人の両親は?」
「二人ともドイツ人です。」
「妻の両親は?」
「どちらも日本人です。」
「あっそう。住所は?」
「この街のxx通りです。」
「あっそう。じゃあx月x日xx時に二人で市役所の戸籍課に来てください。必要書類は・・・」
この女性、声も怖いけれどぶっきらぼうでまるで喧嘩を売っているみたい。ドイツの公務員は怖いと思っていたけれど、これは本当に怖かった。ちなみに日本人の私の必要書類は確か、

婚姻具備証明書 (Ehefaehigkeitszeugnis) 日本で翻訳、アポスティールしたもの
出産証明書 (Geburtsurkunde) 日本で翻訳、アポスティールしたもの
身分証明書 (Personalausweis) パスポート
住民票 (Meldebescheinigung) ドイツの住民局で登録後手数料10ユーロ程度で発行してくれる

だったと思います。

さて、指定されたx月x日xx時、時間ぴったりに二人で怖い怖いおねえさんのいる戸籍課の一室の扉をノック。「どうぞ」っとぶっきらぼうな返事があり、中に入ると

あんまり怖くないおねえさんが私達を上から下まで見てから、「xxさんですね。ようこそ。どうぞおかけください。書類は全て揃ってますか。コピーを取るから少しお待ち下さいね。うん、ちゃんと公式に翻訳と認証されてますね。素晴らしい。式の日程はいつがご希望ですか。空いているのはこの日とこの日と・・・」
と、電話とは別人のごとく親切そのもの、天使のように懇切丁寧に対応してくれました。戦争覚悟で出陣してきた私と旦那は何だか拍子抜け。だまされたような気がしたのか旦那がさり気なく「すみません、電話で対応してくださったのと同じ方ですよね・・?失礼ですが、当時はずいぶん冷たい対応をなさりましたが・・・」と質問してみました。彼女の答えは、「ええ、私ですよ。電話では異民族婚(Mischehe)と聞いて冷淡に対応してしまいました。最近、社会保障や国籍取得だけが目的の外国人とドイツ人の婚姻がすごく多いんです。この街もドイツ語が一言の話せないのにドイツ国籍を持つ外国人や、子だくさんで国の援助金だけで生活する外国人がどんどん増えて、そういう偽造結婚だと見え見えなのに受理しなければいけない私たちは不満が募る一方なのです。」「ドイツ人男性が(東欧や東南アジアの)外国人女性を連れてきて結婚するわけですか?」「いいえ、逆のケースが多いのです。ドイツ人女性がアフリカやアラブの男性の甘い言葉にだまされて結婚する。数年後には彼らはドイツ国籍を取得して、さっさと離婚してしまう。離婚しても既にドイツ人になった彼らは国の社会保障を食い物にして悠々とドイツで生活を続ける、というわけ。」
なるほど、そういう背景があったのですね。とにかく、私がまっとうな日本人で、旦那と対等に清く正しく結婚したいのを確認した彼女は、実に親切にその後の書類の処理や戸籍役場での結婚式の日程、結婚すると自動的に作成される家族登録簿 (Familienbuch)のデザインに至るまで対応してくれました。
戸籍役場での結婚式、と書きましたが、ドイツには「結婚式」が2つあります。1つは前述の戸籍役場での結婚式。日本での「入籍」と同じですが、一応それなりの順序があり、署名の他に誓いの言葉や指輪の交換なども含まれます。もう1つは教会でのいわゆる結婚式。外国映画で見るように、花婿が祭壇の前で待っていて、白いウェディングドレスの花嫁が父親に手をひかれて入ってきて云々、というやつです。ちなみに戸籍役場では何度でも結婚できますが、教会での式は人生で一度だけです。離婚して2度目の結婚式は白いドレスではできません。こちらの人は何度も離婚再婚を繰り返すので・・・。それから、教会で洗礼を受けていなかったり、教会から離脱した非キリスト教徒もだめです。私たちの場合は、旦那がキリスト教徒なので教会式の結婚式を挙げてもよかったのですが、私も旦那も淡白な性格で華々しい行事に興味がないため、戸籍役場での式のみを挙げました。ウェディングドレスもゲストも何もなし、当日は10時半の式でしたが、二人とも10時前まで自宅のオフィスで仕事をし、急いで適当にスーツに着替えて出かけるやる気のなさ。それでも愛し合っているんですよ。式場は古い市役所のちょっと品格のあるホールで、祭壇があり、手続きをしてくれたあの女性職員が私達の担当で、ちょっとした誓いの教訓を読み、婚姻届にサインをして、20分弱で結婚式終了。おごそかな雰囲気で少しホロリとしました。しかし、どんな真面目な場面でも常に何かネタを作る私と旦那。ここではこんなエピソードがあります。

「お二人とも婚姻届にサインをしましたね。では指輪の交換をしましょうか。」
「いえ、指輪交換は飛ばしてけっこうです。」
「??いえ、飛ばすわけにはいかないのですが。」
「実は、結婚指輪を注文するのを忘れていて一昨日慌てて頼んだので、2週間後に届くんです。」
「・・・・・・」


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