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足湯の勧め

温かい湯船に
浸かりたいけれど
日本ではどんなに小さなアパートでも湯船付きの浴室があるのが当たり前。しかしヨーロッパでは小さめのアパートはもちろん、大きな家でも浴室はシャワーのみなんてことが珍しくありません。ホテルの部屋も事前に確認しないとシャワーユニットのみで湯船なしは普通です。学生用のアパートや寮に至っては、シャワーユニットでもあれば上級クラス、同じ階に共同のシャワーとトイレがあればラッキーというレベルです。私がドイツで昔住んでいた語学学校の寮は何と個人部屋にシャワーユニットとトイレが別室で付いていて、これだけでもう上流階級な暮らしでした。その後しばらく住んだドイツの夫の実家には浴室が2つあり、1つは湯船、シャワーユニット、トイレの3点セット+洗濯機なども置いてある大きなもの、もう1つはシャワーユニットとトイレと洗面台のみの小さなもの。大きいほうは夫の両親が使っていたので私たちはシャワーのみの小さな浴室を使用し、ドイツの最初の冬は凍える思いでした。ドイツの不動産を見て回る機会もたくさんありましたが、湯船はある場合と無い場合が半々。面白いことに、古い家でも湯船はけっこうきれいでほとんど使われていない感じがしました。逆にシャワーはドイツの硬水に多量に含まれるカルキのせいで真っ白に水あかが付いています。スイスの不動産も同様で、湯船に対する愛情や、風呂場に湯船は絶対条件という気質はまるで感じられません。私が現在住んでいる家も、田舎の小さな一戸建てですが風呂場にあるのはシャワーユニット、トイレ、洗面台、ボイラーと洗濯機のみ。湯船に入る機会は休暇で泊るホテルが運良くバスタブ付きだった時と日本に帰省する時のみです。

シャワー暮らし(ちなみにシャワーを浴びるのは朝起きたとき)に慣れてしまえばそんなものかと湯船なしでけっこう生活できます。逆に毎日水をたっぷり使う日本のお風呂は贅沢すぎるような気もしてきます。それでもたまには湯船に浸かって体の芯から温まりたい。特に寒い冬場は足が冷えて眠れなかったりして、靴下をどんなに重ねても凍えそうで、温かいお風呂が恋しくなることがあります。湯船を置けるほど我が家のバスルームは広くないし、家を買ってしまったので湯船1つを原因に今更引っ越すわけにもいかず、何年もそのまま過ごしてきましたが、あるとき足湯という方法を耳にしました。膝から下、いえ、くるぶしから下だけでもお湯に浸かれば全身が温まってくるし、血のめぐりがよくなって私の持病のしもやけも改善されるだろうと。半信半疑でバケツにお湯を入れて椅子に座って足だけ浸けてみました。そのまま5分くらいするとジワジワと温まってきて、15分後には体全体がぽかぽかとしてきます。お湯から出した足はすっかり温まっていて入浴後のように気持ちがいいし、そのまま布団に入ってぐっすり眠ることができました。全身浴の代用でこんな簡単な方法があったとは!何となく知ってはいたのですが今まで馬鹿にして実行したことがありませんでした。今後は、特に冬場は毎日の習慣にしたいと思います。
そう言えば、ドイツには「クナイプ療法」というものがあり、水やハーブを使った自然療法で病気を根本から治しましょうというセバスチャン・クナイプ(1821-1897)の教えです。日本でもクナイプの名称で入浴剤やエッセンスが販売されていると思います。本来は冷たい水に出たり入ったりする療法でしたが、今日ドイツでは足湯や温水と冷水を交互に足にかけることなどを総称で「クナイプ療法」と呼んでいます。ドイツのホテルやリゾート観光地の案内に「クナイプ温泉」とか「クナイププール」などを見かけたら、足湯の浴槽や膝から下だけ浸かって歩くプールのようなものを想像してください。
足湯のための専用機器も、日本ほど種類はありませんが売られています。しかし学生寮や賃貸アパートで節約生活をするのにそんなものは必要ありません。OBIやtoomなどのホームセンターで売っている5ユーロ程度の掃除用バケツやタライ1つでじゅうぶんです。収納用のプラスチックボックスでも構いません。10リットル程度の液体を入れてこぼれないものなら何でもいいのです。私はいわゆるバケツを使っているので使用するお湯はたったの5リットル。最初少し熱いくらいにしておけば、途中でお湯が冷え切ってしまうこともなくお湯から出る頃に適度に冷めます。豪華にしたいときは入浴剤をひとつまみ入れてアロマバスにします。ドラッグストアには色々な香りと色の面白い入浴剤がたくさん並んでいます。安物の楽しいものからクナイプなど本格的なエッセンス、水虫や怪我の治療用の薬用足湯剤まで様々。ヨーロッパに住むことになっちゃったけど湯船がない!とあきらめていた方は、是非試してみてください。





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