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ドイツ語の手紙の書き出しと締め括り

Heidi auf der Alm
Bergstraße 1
7304 Maienfeld
Schweiz

Frau Klara Sesemann
Hauptstraße 10
60311 Frankfurt am Main
Deutschland
見積もり依頼のはずなのに
ラブレターになっちゃった!
なぜ??

昔は外国と言えば遥か遠くの異国の地で、海外旅行など夢のまた夢、国際電話は1分数千円、国際郵便は届くまで何週間も待たねばならないものでした。グローバル化の進んだ今日では、子供のうちから海外に行った経験があるのは当たり前で、インターネットの普及により外国が身近になり、ソーシャルネットワークを通して外国の友達とやりとりをするのも日常生活の1つになりました。英語ができれば世界中の人とコミュニケーションが取れるので、何も無理して第2第3外国語を勉強する必要は無いと感じてしまいますが、せっかくドイツに知り合いができたのなら少しくらいドイツ語でやりとりをしてみたいものです。いきなり会話をするのは難しいので、辞書を引きながらゆっくり自分のペースでできる「手紙」という手段はいかがですか。旅先で知り合った人にカードを出したり、ネットで知り合った人にメールを書いたり、留学中お世話になった恩師への手紙や取引先へのビジネスレター、文章を書く機会はたくさんあります。手紙の本文については個人的なものですから、自分自身で心を込めて書いてください。書き出しと終わりは数種類の決まったパターンがあるので一度覚えてしまえば簡単です。辞書や参考書にも必ず「手紙の書き方」という項目があり例文がいくつか挙げられていますが、困ったことに、これらは必ずしも正しい表現ではなかったりするのです。古い本だと当然載っている内容も古いので、現代のドイツ人には何だか時代劇を読んでいるように感じられることもあります。相手を不快にさせたり誤解を招いたりしないよう、現代社会に合った表現を勉強しましょう。


書き出し
Sehr geehrter Herr XXX,(敬語で話す男性宛て)
Sehr geehrte Frau XXX,(敬語で話す女性宛て)
Sehr geehrte Damen und Herren, (敬語で話す不特定多数の人間宛て)

商用文の書き出しはほぼ100% Sehr geehrte(r) で間違いありません。ホテルへの問い合わせや大学教授など目上の人への手紙もこれを使います。相手が肩書を持っている場合は Sehr geehrter Herr Professor XXX, Sehr geehrte Frau Dr. XXX, 貴族の肩書は Sehr geehrter Graf XXX, Sehr geehrte Gräfin XXX, などとHerr/Frauの代わりに肩書を男性形か女性形にします。Sehr verehrter という表現は一般的にはあまり使いません。またDuで呼び合う友達や子供に対しては使いません。

Lieber Herr XXX,(敬語で話す男性宛て)
Liebe Frau XXX, (敬語で話す女性宛て)
Lieber Peter,(親しい男性の友人宛て)
Liebe Heidi,(親しい女性の友人宛て)

Lieberは英語のDearに当たり、親愛なるXXさんと訳しますが、Dearよりももっと個人的な親しい付き合いのある人物のみに使われます。初対面の人には使いません。ビジネスレターでは、個人的にお礼を述べる手紙等にはいいですが、発注や見積もり依頼などには使いません。Lieberが活躍するのは敬語で話す私的な友人知人、近所の人、お世話になった人など、Sehr geehrterだと堅苦しく響くけれどタメ口を使うには遠い人にぴったりです。Duで呼び合う友達や子供に対してはLieberのあとに名字ではなくいきなり名前を書きます。同世代のペンフレンド(メル友?)やチャット仲間、ホームステイ先の家族などはすべてLieberです。Lieber Großvater, Liebe Tante Mariaなど親族系統を表す名詞と組み合わせて使うのも一般的です。

Guten Tag, Herr XXX(敬語で話す男性宛て)
Guten Tag, Frau XXX(敬語で話す女性宛て)
Guten Tag, Peter,(親しい男性の友人宛て)
Guten Tag, Heidi,(親しい女性の友人宛て)

Lieber よりも少し改まった表現で、商用のEメールでよく見かける書き出しです。Sehr geehrterほど堅苦しくなく、なおかつLieberほどくだけておらず、使いやすい丁寧な表現です。ただし挨拶がGuten TagではなくGrüß Gottのバイエルン州やオーストリア宛ての手紙には使わないほうがよいでしょう。彼らの耳にはグーテンタークは少々堅く響くそうです。スイス人にはGruezi Herr/Frau XXX, Gruezi Peterと書くこともできます。意味は同じです。

Hallo Peter,(親しい男性の友人宛て)
Hallo Heidi,(親しい女性の友人宛て)

HalloはDuで話す親しい友人のみに使います。しかし今日ではEメールの普及によりビジネスレターでもHallo Herr XXX,と書く人が多くなりました。社内メールなら許容範囲ですが社外の人物へはSehr geehrterを使いましょう。Halloで始まるビジネスメールを受け取ると気を悪くする人も多くいます。友人にはもちろんくだけた言い回しで構いません。


締め括り

敬語で話す相手には、

Mit freundlichen Grüßen

という表現が最も一般的です。そのあと自分の名前をフルネームで書きます。Grüßeを単数形にしたMit freundlichem Grußという形も同様に使われます。Hochachtungsvollという表現は使いません。現代では、これを使うのは裁判所や税務署が難件に関する書状を送る時や、クレームの手紙で皮肉を込めて書く場合なので注意しましょう。
もう少し親しい人には

Beste Grüße
Herzliche Grüße
Viele Grüße

などを使います。Duで呼び合う友人にはViele Grüße, Schöne Grüße, 簡単なメールならただGrußと1語書くだけでも構いません。女性同士や兄弟家族ならLiebe Grüßeという表現も頻繁に使われます。Liebeは「愛」を意味するので男性同士や恋人でない異性同士で使うには少し抵抗があります。
締め括りには少し変化をつけて、

Viele Grüße aus Tokyo (敬語でも親しい人でもOK)
Ganz viele liebe Grüße aus Japan (親しい人のみ)

などと書くこともできます。最後にはやはり自分の名前を書きますが、敬語で話す人にはフルネーム、親しい友人や家族には名前のみをサインします。
ところで、参考書にはよく次のような表現が載っています。

Mit freundlichen Grüßen
Ihre Klara Sesemann

Viele Grüße
Dein Peter

Ihr(Ihre)やDein(Deine)を名前の前につけると、「あなたのクララより」「君のペーターより」と非常に親密な響きが加わり、ラブレターになってしまいます。これは大変大きな間違いで、こちらは参考書の通りに模範的な手紙を書いたつもりなのに相手側には「この人私に気があるのだわ」と勘違いされてしまいます。Ihr(Ihre)やDein(Deine)は使わず名前だけを書くようにしましょう。恋人への手紙であれば、しっかりDein(Deine)をつけて構いません。

最後に、メールでよく見かける結び句にMfGという謎の言葉があります。これはMit freundlichen Grüßenの頭文字を取ったもので、英文メールのasapなどと同様の簡易表現ですが、大人の世界では使わないようにしましょう。特に、外国人が外国語で手紙を書くのに現代の略語など必要ありません。しっかりMit freundlichen Grüßenと書きましょう。






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