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ドイツのパン屋さん

ハイジの白パンより
ドイツの黒パンが好き!

ドイツの街の至るところにあるパン屋さん。暖か味のある照明の店内には大きなショーケースがあり、菓子パンやプチパン、素朴なケーキ、カウンター奥の壁には形も大きさも様々などっしりしたドイツパンがずらりと並んでいます。パン屋さん無しにはドイツの日常生活は語れません。どの店も早朝から営業しており、通勤通学途中にパンを買う人や、朝食用のプチパンを買いに来る人が絶えません。昼ごろになるとハムやソーセージ、ゆで卵を挟んだ色とりどりのプチパンサンドも並び、手軽にお昼ごはんを済ませることができます。午後のお茶の時間にはタイルヒェンと呼ばれるデニッシュやクリームパン、又は天板で大きく焼いて切り分けるイースト生地のケーキが欠かせません。日曜日も午前中営業しているパン屋さんはたくさんあるので、お茶会用の菓子パンやケーキを注文することができます。大きく色の濃い、いわゆる「ドイツパン」は、1つ750gのものが主流で、これを7ミリ程度にスライスしてバターを塗り、ハムやチーズを乗せたりジャムを塗ったりして食べます。丸いもの、四角いもの、穀物や種をトッピングしたものなど、パンの種類は本当に様々で、更に店や地域によっても異なるので名前を挙げるとキリがありません。
海外に住むドイツ人にインタビューをすると、「異国暮らしにとても満足している。(ドイツに比べて)気候は穏やかだし税制も緩いし、自分の選択は正しかった。」という回答の次に必ず耳にするのが「でもドイツのパンだけは恋しい。」という一節です。確かに世界中どこを探しても、ドイツほどパン文化が豊かでパンの美味しい国はないような気がします。北米やアジアなど、海外で活躍するドイツ出身のパン職人がたくさんいるのも、ドイツパンが世界で認められている証拠でしょう。私は小さい頃神戸に住んでいたことがあり、近所のフロインドリーブなるパン屋さんでプンパニッケルなどハイカラなものを買って食べていました。大人になってドイツ人と結婚したものの何故かスイスに住んでいる現在は、ドイツに行く機会がある度に車に積めるだけパンを買って帰るのが習慣になりました。パンを保存するため外物置に冷凍庫まで設置しました。南スイスやイタリアには「パン自体が美味しいパン」が存在しないので(ここではパンはソースをぬぐったり口直しのための付け合わせです)、パンの在庫が少なくなると「次はいつドイツに行こうか」という話になります。

ドイツにはパン屋さんが星の数ほどありますが、残念ながらほとんどは大工場で加工された製品を売るだけのチェーン店で、品質はスーパーマーケットの袋入りパンと大差がありません。原料はあらかじめイーストも何もかもが混ざった粉を東欧など外国から仕入れる店も多く、パン焼き工場が併設された店でも全て機械作業で大工場と変わらない様子です。菓子パンは最終焼き上げ前の完成品の冷凍生地を中国から輸入する店まであります。そのため、昔ながらの製法で職人が手で焼き上げるパン屋さんは価格競争について行けず、残念ながら次々と閉店に追い込まれているのが現状です。主人の実家の近くのパン屋さんは幸いにも伝統を守っている古い店で、マイスターが毎日手作業でパンとケーキを焼いているので、安心して買うことができます。週に2回ほど車で近隣の町へ巡回もあり、パンを買いに出られないお年寄りも常に新しいパンを食べられます。
さて、私達は主人の実家に行く度にこのパン屋さんで山ほどドイツパンを注文するのですが、日曜日の午後にパンを受け取りに行ったとき、店の主人であるマイスターに工房を見せてもらえることになりました。

小さな部屋にずらりと機械や道具が並ぶ工房。左奥を進むと冷凍庫、冷蔵庫がある。右奥の天井は開閉式で、2階にある粉置き場から直接パン捏ね機に粉を入れることができる。中央の作業台は移動式だがずっしりと重い。
何十年も使い続けているという作業台は、スクレイパー(へら)で生地をこすり取る作業の繰り返しで凹凸ができるほど。
パン捏ね機。これ1台であらゆる種類の生地を作ることができる。
捏ねた生地をリフトで持ち上げて、重さを量って切り分けるベルトコンベアーに移す作業。休業日にお邪魔したので今回は生地なしで機械のみ。
角型パンの型。
引き出しの中もいろいろな型でいっぱい。左の木製トレーは成形した生地を寝かせて発酵させるためのもの。
オーブンは5段あり、細かい温度調節が可能。床はシャモット(耐熱粘土)なので石釜オーブンのような香ばしい焼き上がりになるとか。
仕込み中のサワー種。ドイツパン独特の香ばしい香りが広がる。
生地に混ぜたりトッピングしたりする穀物。もちろんそのままでも食べられる。
ケーキ工房の業務用生クリーム泡立て器。底に無数の小さな穴があり、空気を含ませて仕上がりをよくする。
ベルリーナーというジャムを詰めた揚げ菓子パン専用のフライヤー。パンの上下をひっくり返して両面を均等に揚げることができる。
売り場の様子。欲しい商品を口頭で注文して袋に詰めてもらう。隣の喫茶室ですぐに食べることも可能。
Bäckerei Metten / Cafe Metten
Markusstrasse 2
34431 Marsberg-Beringhausen
Germany
Tel. +49 (0)2991 364






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