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ティチーノ風パンのトルテ Torta di pane

買い過ぎて余ったパンが
硬くなっちゃった・・・
現代は飽食の時代で、家の中には常に新鮮な食材があり、家を出て5分も歩けば新しい食材を調達できる店がいくらでもあります。そのため、大量に買い置き、作り置きをすることは珍しくなりました。しかし昔は野菜果物は旬のものをその季節にだけ味わうのが普通で、日々のパンも週に1回村の共同釜で焼いたものをみんなで分けて少しずついただくのが当たり前でした。小麦の質も今と違い、添加物もなかったので、パンはすぐ硬くなり、何日かすると乾燥して石のようになってしまうのが普通でしたが、食べ物を捨てるわけにはいきません。水やスープに浸したり、牛乳や卵と混ぜて別の料理を作ったり、昔の主婦は知恵を絞って古いパンを蘇らせる努力をしました。そのためヨーロッパには硬くなったパンを使う料理やお菓子のレシピが星の数ほど残っています。日本で硬くなったお餅や古米を使うのと似たようなものでしょうか。この「パンのトルテ」もそんな典型的なレシピの1つ。私の住む南スイス・ティチーノ州に昔からあるもので、基本は古いパンを牛乳でふやかしてドライフルーツやハチミツで甘みをつけて焼くケーキですが、材料の分量や種類は各家庭で違います。今は他に素敵なケーキやお菓子がいくらでもあるので、わざわざこれを喜んで食べる子供はいません。しかし地方の伝統なのでパン屋さんやレストランで郷土料理として見かけることはしばしばあります。ミグロというスーパーマーケットでは1ホール10フラン程度でティチーノ風パンのトルテが色とりどりのモダンな生ケーキと一緒に堂々と並んでいます。

私が初めてこのケーキに出会ったのは、スイスで買った「ティチーノの台所(Tessiner Küche)」という本でした。材料が単純で写真がすごく美味しそうだったので、早速作ってみて、結果は大成功。イギリスのクリスマスプディングに少し似ているけれど、甘さは控えめで、グラッパ(ぶどうの蒸留酒)の香りがする、フルーツ入りのココアパンプディングとでも言いましょうか。日を置くごとにしっとりして美味しくなっていく不思議なケーキです。

使用するパンは、本来は上の写真のようなティチーノ風パンなどフランスパンのような皮の硬いパンを使いますが、白パンであれば何でも構いません。私は普通の食パンを数日置いて乾燥させて使っています。バターロールやライ麦パンは避けたほうがよいでしょう。子供やアレルギー体質の人用にはアルコール、アーモンドは省略しても構いません。好みのお酒や違うナッツを入れても大丈夫。分量が少々大雑把でも失敗することはありません。古いパンが余っていたら是非試してみてください。



ティチーノ風パンのトルテ Torta di pane

直径18センチの丸型1個分
古くなったパン 200g
温めた牛乳 500cc
卵 1個
ハチミツ 80g
レモンの汁と皮の摩り下ろし 1/2個分
グラッパかキルシュワッサー 大さじ2
粉末ココア 大さじ1
粉末アーモンド 50g
レーズン 100g
オレンジピール、レモンピール、ドレインチェリーなど好みで適量のドライフルーツ

パンを小さく切り分けてボウルに入れ、温めた牛乳をかけてふやかす。柔らかくなったら手かフォークでつぶすように細かくちぎる。

オーブンを180度に予熱し始める。ケーキ型の側面にバター(分量外)を薄く塗り、底に丸く切ったクッキングシートを敷く。

残りの全ての材料をパンと牛乳のボウルに入れて、全体をよく混ぜる。パンの形が分からなくなり、ココア色の生地になるようにすること。

生地を型に流して表面を平らにし、細かく切ったバター(分量外)を表面に少し散らす。(仕上がりに焦げ目がついてきれいに見えるため。)180度のオーブン中段で40〜50分焼く。焼き上がったら型に入れたままで冷ます。

焼き立ての熱いうちも美味しいが、次の日以降のほうが味が馴染んでしっとりして更に美味しい。





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