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ドイツの手捏ね麺 シュペッツレ Spätzle

たまごの入った
黄金色の麺
南西ドイツのシュヴァーベン地方の郷土料理であるシュペッツレは、土地の方言で「小スズメちゃん」という意味ですが、焼き鶏ではありません。小麦粉、卵、水と塩で作ったシンプルな生地を茹でた麺のことで、肉料理の付け合わせにしたり、チーズを乗せて焼いてメインに食べたり、果物と一緒に甘く味付けしておやつに食べたりと様々なバリエーションがあります。シュヴァーベン地方では何百年も前から伝統的に作られている「おふくろの味」で、どの家庭にも必ずその家のレシピがあるとか。近年はドイツ全土に普及しており、レトルトや冷凍品、乾麺などをどこの店でも買うことができます。オーストリアやスイスでは「ノッケル」「クノプフリ」(小さなボタンの意味)などと呼ばれる同様の料理があります。イタリアにもシュペッツレという全く同じパスタがあり、これがドイツに入ってきたのがシュペッツレの起源だという説もあります。
2012年3月以降、「シュヴァーベンのシュペッツレ」という表記は欧州連合の品質保証法で保護されることになり、シュヴァーベン地方で製造されたシュペッツレのみがこの名前を掲げてよいことが定められました。

何だか仰々しい話で、一体どんな凝ったものなんだろうと想像が膨らみますが、作り方も味も至ってシンプルです。基本の材料は前述のとおり小麦粉、卵、水と塩。これを全て混ぜ合わせてゆるい生地を作り、沸騰したお湯に細かく落として、火が通って浮かんできたら出来上がりです。ポイントは「細かく落として」の部分。ドイツのおばあちゃん達は木製のまな板に生地を乗せ、包丁でスッスッっとスライスするような動きで華麗に生地をお湯の中に落とします。しかし慣れないと速度が遅くて最初に落とした生地を茹で過ぎてしまったり、大きさがものすごくまばらになったりと大変です。そのため店では生地を詰めて押し出すだけのシュペッツレ絞り出し器、穴の開いた板に生地を乗せて一気に落とすシュペッツレこすり出し用板など様々な便利道具が売られています。シュペッツレ専用の粉を売っている店もあります。

出来上がりの味は材料から想像できるように、手打ちパスタのようなもの、食感は極太きしめんか「すいとん」といったところでしょうか。表面は粗いのでソースがからみやすく、シチューやお肉料理の付け合わせにぴったりです。生地に好みのハーブを混ぜれば「クロイターシュペッツレ」、茹であがったシュペッツレをリンゴのコンポートとお砂糖と和えれば「アプフェルシュペッツレ」、茹でたものにチーズをたっぷり乗せてオーブンで焼き、フライドオニオンを乗せたものは「ケースシュペッツレ」と呼ばれ、シュヴァーベンを始めバイエルン州のアルゴイやオーストリアのフォアアールベルク州、スイス北部などで立派にレストランのメニューに載っています。付け合わせ、グラタンなどメインのオーブン料理、砂糖、シナモン、果物を使ってデザートにとシュペッツレの用途は実に幅広いものです。常備してある材料で手軽に安くすぐできるので、困ったときにも大活躍。日本でも簡単に作れるので是非チャレンジしてください。




シュペッツレの基本レシピ

(付け合わせ2人分、主食なら1人分)

小麦粉100g
卵 Mサイズ1個
水 30ccくらい
塩 少々


小麦粉、卵、塩をボールに入れて2本の菜箸をしっかりつかんでぐるぐるとかき混ぜる。


水を少しずつ加えて、材料が完全に混ざり耳たぶ(ゆるめのパン生地)くらいの柔らかさになるように調節する。



大きな鍋にお湯をたっぷり沸かし、塩を1つまみ入れる。


まな板(薄めの木製が一番やりやすい。表面がデコボコのプラスチック製はX)を水で軽くぬらし、生地を全て右上端に乗せる。左手でまな板を持って鍋の上に斜めに支え、右手で包丁を持ち、生地を小指よりちょっと小さいくらいの大きさにスライスする感じでお湯の中に落とす。(包丁も水でぬらすと生地がくっつきにくくなります。生地が多すぎてやりにくいと思ったら半分の量で始めましょう。)


再びお湯が沸騰して生地が浮かび上がってきたら玉杓子ですくい、水気を切って別のお皿に取る。(ザルに入れて水にさらしたりはしません。)

付け合わせにするなら熱いうちにバターを少々からめておくとくっつかず、味がよくなります。グラタン等に加工するならそのまま次の手順に入ります。
鹿肉のステーキに赤ワイン、砂糖、醤油で作ったソースをかけてシュペッツレとカリフラワーを添えました。乾燥パセリも上からパラリとかけてアクセントに。
生地にみじん切りのほうれん草を混ぜると緑色のシュペッツレができます。人参のすりおろしやカボチャ、冷凍グリンピースをつぶしてを混ぜてもカラフル。



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