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シュニッツェル Schnitzel

大きなシュニッツェルを
安く食べられる
レストランは
どこでも人気

ドイツやオーストリアでレストランに入るとほぼ必ずメニューに載っている「シュニッツェル」。ドイツ語圏を旅したことがある人は、お皿の半分以上の面積を占める大きさの薄いお肉に黄金色の衣をつけて焼いた美味しそうな料理を見たことがあるはずです。シュニッツェルは外食で人気ナンバーワンを争うメニューで、何を食べるか迷ったらシュニッツェル、という人も大勢います。シュニッツェルの値段によってそのレストランの階級が特定できたり、シュニッツェルの大きさでレストランのレベルを決める人もいるほど重要な料理です。

もともとの単語は骨の付いていないスライス肉を意味し、多くの場合は肉叩きで薄く叩き伸ばした状態を指します。いつの頃からか「衣をつけて揚げ焼きにした」というニュアンスも加わって、今ではシュニッツェルと言えば「薄く伸ばして衣をつけて揚げ焼きにした肉」を連想する人がほとんどです。ただ単に「シュニッツェル」ならお肉料理ですが、魚に衣をつけて焼けば「フィッシュ・シュニッツェル」、ズッキーニに衣をつければ「ズッキーニ・シュニッツェル」になります。

一番有名なシュニッツェルはオーストリア名物の「ウィーナーシュニッツェル」で、レストランで注釈がなければシュニッツェル=ウィーナーシュニッツェルです。もとは北イタリアで食べられていたミラノ風カツレツという料理がオーストリアに伝わったとか、オーストリア帝国のラデツキー元帥(ヨハンシュトラウスが作曲したラデツキー行進曲のモデルの人)がウィーンに持ち帰り広く知られるようになったとも言われていますが、ヨーロッパの国境はいつの時代も変化し続けていたのでいつどこで誰が発明したのかは明らかではありません。1831年にドイツで出版された料理の本にはウィーナーシュニッツェルが載っていて、19世紀後半には既にヨーロッパで広く知られる料理になっていました。

オリジナルは仔牛の肉を使い、肉を観音開きにして厚さ約4ミリ程度になるまで叩いて伸ばします。軽く塩で下味をつけて解き卵にくぐらせて、パン粉をまぶしてフライパンにバターかラードを多めに170度程度に熱して揚げ焼きにすれば出来上がりです。お肉が油に浮くほどたっぷりの油を使いますが、フライではなく焼き物に分類されます。古典的な付け合わせはグリーンサラダかポテトサラダ(薄切りのじゃがいものサラダで日本のレシピとは違います)、キュウリのサラダ、茹でたじゃがいもにパセリをまぶしたものですが、最近はもっぱら山盛りのフライドポテトと一緒に提供され、サラダは葉っぱ1枚とトマト1切れでもあれば上出来です。オーストリアのクラシックなレストランだと赤いフサスグリ、コケモモなどのベリーのジャムが添えてあります。日本人はカツレツといえばトンカツソーツをかけて食べたくなりますが、ウィーナーシュニッツェルはレモンを絞って食べるのが一般的です。

仔牛の肉は少々高価なので、安いレストランでは豚肉や鶏肉のシュニッツェルが多く見られます。値段がかなり安いシュニッツェルを見つけてラッキー、と思ってメニューをよく見ると「材料:七面鳥」などと書いてあるので注意が必要です。通常は「ウィーナーシュニッツェル Wiener Schitzel」が仔牛肉で、その他の肉を使ったものは「シュニッツェルのウィーン風 Schitzel Wiener Art」などと書いてあります。豚や鶏でもじゅうぶん美味しいシュニッツェルはあるので仔牛にこだわらない人は問題なく食べられますが、どの材料でもとにかく大きいので覚悟して注文しましょう。

シュニッツェルには基本のウィーナーシュニッツェル以外にいくつかのバリエーションがあります。
コルドンブルー Cordon bleu

チーズとハムを挟んで衣をつけて揚げ焼きにしたもの
イェーガーシュニッツェル Jägerschnitzel

数種類のキノコのクリームソースをかけたシュニッツェル。イェーガーは「猟師」の意味
ツィゴイナーシュニッツェル Zigeunerschnitzel

ジプシーのシュニッツェルという意味で、パプリカやトマト、キノコなどを使ったグーラッシュ・シチューのようなソースがかかっている
ミラノ風ピカタ
粉チーズとパン粉を混ぜた衣で作る

パリーザーシュニッツェル Pariser Schnitzel
パリ風の、という意味で、パン粉を使わず卵と小麦粉だけの衣がついている

シュニッツェル・ハワイ
普通のシュニッツェルにパイナップルとスライスチーズを乗せてある

アルザス風シュニッツェル
ベーコン、玉ねぎ、サワークリームが添えてある



オーストリアやドイツにはシュニッツェルの専門店があったり、重さが2キロもあるような巨大なXXXXLサイズのシュニッツェルを売り物にして完食できたら代金無料などの宣伝をしたり、早食いイベントをやっている店もあります。レベルの高いレストランから高速道路のパーキングエリアまであらゆる場所で食べられて、注文する人がとにかく多いので出てくるのも早くて材料が割と新鮮で安心できる料理です。ジャンクフードが好きな人ならどこで食べてもそこそこに満足できる味で、他の凝ったメニューを注文するよりハズレが少ない低リスクなメニューとも言えますが、油をたっぷり吸った衣に山盛りのフライドポテトを添えた大皿が健康に良いかは疑問です。日本人には多すぎるので2人で1皿をシェアするくらいでちょうどよく、適量なら美味しく食べられます。トンカツソースを持参すれば和食の気分も味わえるので、付け合わせをライスにして故郷の味を求めるのもいいかもしれません。





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