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カステルフランコ
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食べるのが
もったいない

冬のイタリアで、スーパーや市場の野菜売り場に巨大なバラの花が並んでいてびっくりすることがあります。これはラディッキオ・ヴァリエガート・ディ・カステルフランコという野菜で、レタスの仲間なのでチコリやトレビス、サラダ菜と同じ一角に置いてあるのですが、クリーム色に小さな赤い斑点の入った葉と、バラの花そっくりな形が非常に独特で、1人だけ女王様のように目立っています。常に売られているわけではないので、店先で見つけたら迷わず買っておかないと、次はいつお目にかかれるかわかりません。珍しい野菜ですが値段は1キロ3ユーロ程度(1玉あたり100円前後)と良心的です。イタリアではとても人気があり、すぐに売り切れてしまうこともしばしば。ラディッキオ・ヴァリエガート・ディ・カステルフランコという舌を噛みそうな長い名前の由来となったカステルフランコ市では、毎年ラディッキオ・ヴァリエガート祭が開催され、農家が手をかけて育てたラディッキオ・ヴァリエガート・ディ・カステルフランコの品評会や試食会、飲食店が特別メニューを出すなど、街を挙げて収穫をお祝いします。


(2011年12月のカステルフランコ祭の告知ポスター)

名前を一息で言えるようになったところで、この珍しい野菜について少し詳しく見てみましょう。



食べられる「バラの花」のようなラディッキオ・ヴァリエガート・ディ・カステルフランコは、1800年代終盤にラディッキオ・トレヴィーゾ(トレビス)とエンダイブを掛け合わせて作られた品種だと言われています。全体の形はサラダ菜を思わせますが、ラディッキオ・ヴァリエガート・ディ・カステルフランコの味と特徴はレタスの仲間の野菜でも最上級に位置するものです。名前の由来であるヴェネト州カステルフランコ市の生産者が品種改良を重ねた結果、今日私たちの食卓に上る上品なすばらしい野菜ができました。

ラディッキオ・ヴァリエガート・ディ・カステルフランコは1996年にIGP(Indicazione Geografica Protetta / 原産地呼称表示)を取得しており、特定の地域で栽培されたものだけにカステルフランコの名前を使用することが許されています。現在栽培地域にはトレヴィーゾ県の25の市町村、パドヴァ県の19の市町村とヴェネツィア県の8つの市町村が指定されています。栽培は、栽培指定地域の水はけと風通しが良い肥沃な農地で行われなければなりません。6月と8月の間に種まきをして、9月下旬から10月上旬に苗の植付け作業をし、株がじゅうぶん大きくなって開くまで、開放的な農地で2カ月ほど育てます。その後根元から10センチ程度の葉を摘み取ってから、底網をした栽培ケースに株を移して、光の当たらない場所に置きます。これによりクロロフィル(葉緑素)のない新しい白い葉が育ち、カステルフランコ独特の味と香りと歯切れのよい食感が生まれます。栽培方法は伝統的な2年間隔での輪作、堆肥の使用制限や1平方メートルあたり最大7株まで、など細かく定められており、これが品質保証につながっています。

ラディッキオ・ヴァリエガート・ディ・カステルフランコの味は、心地よい苦みとほのかな甘みが混ざりあった非常に上品で繊細なものです。低カロリーで、食物繊維やカリウム、ビタミンA,C、鉄分など豊富な栄養素を含み、生でも加熱しても美味しく食べられます。前菜のサラダや、プリモのパスタやリゾットに混ぜたり、炒めたものをメイン料理の付け合わせにしたり、甘いピューレ状にしてデザートに、と使い方は無限大です。しかし、この野菜の最大の特徴はその美しい色と形なので、加熱せずにそのままサラダとして食べるのが一番ではないかと思います。演出として丸ごと食卓に出して、その場で葉をちぎって食べるのも乙ではないでしょうか。濃い味のドレッシングは使わずに、おいしいバルサミコ酢とオリーブオイルをたらして、素材そのものの味を楽しみましょう。




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