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一番おいしいピザは?

正しい発音は
「ピザ」ではなく
「ピッツァ」です
イタリアの食べ物でスパゲッティ(パスタ)と並び全世界で知られているピザ。薄く伸ばした平べったいパン生地にトマトソースを塗って、チーズと好みの具を乗せればたちまちピザの出来上がり。ピザが嫌いな人はまずいません。ピザ屋さんでしっかり1枚食べるもよし、街角のテイクアウトで1切れ買ってつまむもよし、宅配サービスで注文して家でパーティーをするもよし。リーズナブルで万能な食べ物ピザは世界中で愛されています。本場イタリアでももちろん外食の一番人気で、週末の夜はどこのピッツェリアもカップルやおじいちゃんから赤ちゃんまでの家族連れ、様々なグループ客で大賑わい。人気の店は予約なしでは入れません。イタリアにはどんな小さな町にもほぼ必ず石窯オーブンを備えた本格ピッツェリアがあり、味も外れがありません。お皿からはみ出すような大きなピザを1枚5ユーロから10ユーロ程度の値段で食べることができるので、安く美味しく外食するにはうってつけです。サイドメニューや前菜、いくつかのプリモ(パスタやリゾット)、セコンド(肉魚料理)を用意している店も多いので、本格的なイタリアンも楽しめます。イタリア旅行で食事をするレストランを決められなかったら、まっすぐピザ屋に向かいましょう。



「ピザ Pizza」の起源は3千年前にさかのぼると言われています。古代エジプトやギリシャ、ローマで食べられていた平たく伸ばして焼いたパンのようなものが始まりです。ピザという名前はラテン語の「pinsa(平たく潰す、伸ばすといった動詞 pinsere の過去形)」に由来し、ギリシャの「ピタ」という平らで中が空洞のパンも同じ語源です。ピザに欠かせないモッツァレラチーズは、ローマ帝国滅亡後にイタリアに進出してきたランゴバルド人が水牛を飼う習慣があったので、それ以来イタリアで水牛の飼育が盛んになり、その乳から作られるチーズもピザに不可欠となったそうです。

さて、ピッツェリアのメニューには美味しそうなピザがずらりと並んでいます。大体共通なものは

マリナラ Marinara (トマトソース、ニンニク、オリーブオイル)
マルゲリータ Margherita (トマトソース、モッツァレラ、バジル)
プロシュート Prosciuto (トマトソース、モッツァレラ、ハム)
クアトロスタジョーニ 4 Stagioni (トマトソース、モッツァレラ、ハム、アーティチョーク、マッシュルーム、パプリカなど いわゆる4つの違った味があるフォーシーズンズ)
クアトロフォルマッジ 4 Formaggi (モッツァレラ、ゴルゴンゾーラ、パルメザンなど種類の違うチーズ4つ)
カプリチョーザ Capricciosa (トマトソース、モッツァレラ、ハム、アーティチョーク、オリーブ、マッシュルームなど)
ヴェルドゥーレ Verdure (トマトソース、モッツァレラ、パプリカやナスなどグリルした野菜)
ナポリ Napoli (トマトソース、モッツァレラ、アンチョビ、オレガノなど)
フンギ Fungi (トマトソース、モッツァレラ、マッシュルームかその他キノコ)
ロマーナ Romana (トマトソース、モッツァレラ、アンチョビ、オリーブ、ケーパーなど)
ヴルステル Wurstel (トマトソース、モッツァレラ、リヨナーソーセージ)
トンノ Tonno (トマトソース、モッツァレラ、ツナ)
ディアヴォラ Diavola (トマトソース、モッツァレラ、チョリソー)
カルツォーネ Calzone (トマトソース、モッツァレラなどの包みピザ)

加えて各ピザ屋のオリジナルや街の名前を付けたピザなど、ありとあらゆる種類のピザがあります。ルッコラやラディッキオ(赤いチコリのような野菜)などフレッシュ野菜を乗せたもの、パルマ産の生ハムや魚の燻製など高級食材を使ったもの、アメリカやドイツの観光客が好むパイナップルとハムの「ピッツァ・ハワイ」、トマトソースの代わりにホワイトソースを使った「ピッツァ・ビアンカ(白いピザ)」、若者が最近よく食べている、フライドポテトを乗せたカロリーたっぷりのジャンクフードピザ。材料の組み合わせは無限大です。では、本場イタリアの人々が一番好きなピザはどれでしょう。

答えは一番シンプルな「マルゲリータ」。イタリア人は具がゴテゴテ乗ったピザを好みません。美味しい生地に美味しいトマトソースとモッツアレラが乗っていれば十分。あとはせいぜい具が1種類くらいあってもいいけれど、素材1つ1つを味わいたいので乗せ過ぎはよくないそうです。我が家は週に1度必ずピッツエリアで食事をしますが、私もマルゲリータが好きでよく注文します。値段が一番安いので旦那は「ケチみたいだからもうちょっと高いのを注文しなよ」と言いますが、食べたいんだから値段は関係ありません。イタリア人の立派な紳士淑女も堂々とマルゲリータを注文しています。

食欲がわいてきたところでマルゲリータに関するウンチクを1つ。
イタリア統一後の1889年、国王ウンベルト1世とサヴォワ出身のその妻マルゲリータ女王がナポリを訪れました。当時ナポリではピザなる食べ物が流行っており、国王夫妻は是非試食してみたいと使いの者をナポリで一番有名なピザ職人ラファエレ・エスポズィートと妻ジョヴァンナ・ブランディのもとへ送ります。二人は早速仕事場の調理器具と食材を馬車に積み王の宮殿へ向かい、作業にかかります。陛下のために作られたピザは、トマトとモッツァレラとバジルのピザでした。石窯で焼かれる前の鮮やかな色の具が乗ったこのピザを見て、その場に居合わせた人々は目を丸くして感嘆の声を上げました。「赤、白、緑はイタリア王国の国旗の色ではないか!」マルゲリータ女王はこのピザが大変気に入った様子なので、ピザ職人は、「このピザに陛下のお名前をお授けください」と申し出ます。以来ピッツァ・マルゲリータの名前は今日まで世界中に広まったというわけです。数日後、ピザ職人の元に王室の料理長から「女王は貴殿のピザに大変ご満悦であった」と再度伝える手紙が届きました。この手紙は今でもナポリのピザ屋ブランディ Brandi (www.brandi.it)に飾られています。

ピッツェリアのピザは箱に入れてテイクアウトすることもできます。満席だったり家でくつろいで食べたい人や、飲み物代とチップを節約したい人は電話で注文して受け取りに行きます。そんな時間の余裕もない時には、味にうるさいイタリア人もスーパーの冷凍食品ピザを食べます。スーパーの自社ブランドやブイトーニなど大手食品メーカーのものがありますが、イタリアで一番人気の冷凍ピザは皮肉にもドイツの食品メーカー Dr.Oetker のシリーズだというアンケート結果があります。味はツナ、クアトロフォルマッジとマルゲリータが人気だそうです。集計の最後には「イタリア産の焼き立てピザが敗退する日も近いのか」とのコメントがありました。がんばれイタリアのピザ!



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