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カイザーシュマレン kaiserschmarren

パンケーキ ひっくり返すの
失敗して割れちゃった
失敗したホットケーキのようなこのお料理は、オーストリアに起源を持ち、現在もチロルや南ドイツで愛されている有名なお菓子です。お菓子というより、ドイツ語のSüßspeise (甘い料理)、Mehlspeise(小麦粉料理)が正しいでしょう。「甘い小麦粉料理」の種類は実に多様で、様々なパンケーキ、ワッフル、イーストを使ったパン生地のもの、ニョッキのようなものがありますがそれらは別に改めて紹介したいと思います。カイザーシュマレンはその名の通り(カイザー=皇帝)甘い小麦粉料理の代表。オーストリアに行ったら是非一度食べてみることをお勧めします。

カイザーは皇帝の意味ですが、シュマレンは? 辞書で引いてもちょっと曖昧なのですが、「つまらないもの」「取るに足らないもの」などを意味します。オーストリア方言だと今日では単に「パンケーキ」を指します。「カイザーシュマレン」の名前の由来にはいくつもの説がありますが、全てオーストリア帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ1世に関する逸話です。いくつかご紹介しましょう。




フランツ・ヨーゼフ1世が北アルプスに狩りに出かけたときのこと。食事の際に、その土地で一般的な「木こりのパンケーキ」(粉と水と塩とバターだけで作ったパンケーキ)を料理人が皇帝のために卵と牛乳とレーズンで豪華にアレンジし、皇帝のパンケーキ、カイザーシュマレンとなった。



フランツ・ヨーゼフ1世はデザートに甘い小麦粉料理を食べるのが好きで、特にパラチンケン(ジャムを巻いたクレープ)がお気に入りだった。ある日コックがクレープを厚く焼きすぎてしまい、皇帝にはお出しできないので「カイザーのシュマレン(皇帝のためだった出来損い)」と称して召使のまかない食にアレンジしたものが好評で、後のカイザーシュマレンとなった。



フランツ・ヨーゼフ1世が狩りに出かける途中で休憩のために、とある農家に立ち寄った。おかみさんがあり合わせの材料で皇帝のためにパンケーキを作ると、これが陛下の口に合い、お褒めの言葉をいただいた。おかみさんは「いえいえ、ただのシュマレン(つまらないもの)ですよ。」と謙遜すると、皇帝は「いや、これぞカイザーシュマレン(皇帝のパンケーキ)だよ。」と言った。



フランツ・ヨーゼフ1世の妻エリザベートは身長172センチ、体重50キロ、ウエスト50センチのスリムな体型で、それを維持することに必死だったので、甘い小麦粉料理を断固と拒否していた。ある日料理長が彼女のためにパンケーキを作ると、エリザベートはいつものようにこれをはねつけた。側にいた皇帝は笑いながら「では私にそのシュマレン(つまらぬもの)をよこしなさい。」と皿を取り、食べてみるとこの料理がとても気に入ったので以後カイザーシュマレンと名付けた。




さて、名前の由来はこれくらいにして、カイザーシュマレンとは具体的にどんな料理なのでしょうか。基本はレーズンの入ったホットケーキの生地で、丸く仕上げずに焼く途中でわざと一口大に崩して、粉砂糖をたっぷりかけて、プラムやリンゴのジャムと一緒に提供するものです。生地に使う卵と小麦粉の割合や、卵白を泡立てるか泡立てないか、フライパンで焼くかオーブンで焼くか、などレシピは様々ですが、出来上がりの味は大体想像できると思います。温かいデザートとして食べてもいいし、軽食にもいいし、こちらでは大人も子供も大好きなメニューです。スーパーではホットケーキミックスならぬカイザーシュマレンミックスが売られているくらい。レーズンが嫌いな人は入れなくてもいいし、豪華にラムレーズンで作るバリエーションもあります。常備してある食材ですぐにできるので、私は休日のブランチによく作ります。皇帝も愛したパンケーキ、是非一度お試しください。


カイザーシュマレン(1〜2人分)

卵 2個
牛乳 100cc
小麦粉 80g
砂糖 30g
レーズン 好みの量
バター(マーガリン) 少々
粉砂糖 好みの量

1.卵を卵黄と卵白に分ける。
2.卵白と砂糖をしっかりしたメレンゲに泡立てる。
3.卵黄のボールに牛乳と小麦粉を加えてなめらかに混ぜ合わせる。
4.卵黄生地にメレンゲを半分加えてしっかり混ぜ合わせ、残りを加えて泡が消えない程度にサックリと混ぜ込む。(シフォンケーキの生地の要領です。)
5.大きめのフライパンにバターを熱し、生地を全部流し、上からレーズンを散らす。表面にポツポツと穴が開いてきたら、フライ返しでひっくり返す。(大きいのでこの時生地が割れてしまいますが、どうせバラバラにするので気にせず分割して裏返します。)
6.大体熱が通ったところで、菜箸を使って生地を一口大にバラバラに切り離す。フライ返しで軽く混ぜながら全体を熱して、皿に盛る。粉砂糖をふりかけて、好みでジャム、コンポート、季節の果物などを添えてできあがり。 





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