ヨーロッパで暮らす ー 日独伊+瑞 日々の生活   メール
Home 日常生活 観光、旅行 お料理、レシピ その他あれこれ
ウチワサボテンの実

ラテン語名は
Opuntia ficus-indica

8月から11月頃にかけて、イタリアの市場やスーパーに「Fico d'india(インドのいちじく)」という不思議な果物が出回ります。びわのような大きさで、黄緑、黄色、オレンジ、ピンクと数種類の色があり、表面に何やら怪しげな立体水玉模様がついています。

このエキゾチックな果物の正体は、「ウチワサボテンの実」。南イタリアやスペインの地中海沿岸によく生えているウチワサボテンが、夏の終わりになるとポコポコと実をつけるのです。ドイツ語では「Kaktusfeige(サボテンいちじく)」と言い、飲料などに使われているのをたまに見かけます。ドイツやスイスで生で売っているものはメキシコ、アフリカやイスラエルからの輸入品のようですが、イタリアではちゃんとイタリア産のものが手に入ります。ただし季節限定なので、旬の時期しか手に入りません。

完熟したウチワサボテンの実は、洋ナシとメロンの中間のようなジューシーで甘い味がします。べったり、ネットリしたいわゆる南国果物の味ではなく、フレッシュな甘さでクセはありません。果肉はやはり洋ナシとメロンの中間くらいの舌触りで、ブドウの種ほどの大きさの黒いハート形の種が大量に入っています。これを全部取り除いて食べるのは不可能なので、果肉と一緒に食べてしまいます。栄養価は100グラムあたり37Kcal、ビタミンC,ナトリウム、鉄分、マグネシウム、カリウムを多く含み、ダイエット中も安心して食べられる果物です。そのまま生で食べてもよし、他の果物と一緒に「マチェドニア(たくさんの果物を小さく切って混ぜたイタリアのデザート)」にしてもよし、ジュースを絞って飲んでもいいし、ジャムやチャツネに加工することもできます。私はウチワサボテンの実を一口大に切ってプレーンヨーグルトをかけて食べるのが好きです。

さて、処理の仕方ですが、まず絶対に素手で実を掴んではいけません。上の写真の怪しげな立体水玉模様は無数の細かいトゲのかたまりで、ちょっとでも触れるとたちまち皮膚にトゲが刺さって苦しむことになります。それを毛抜きで抜こうにも、あまりにも小さな柔らかいトゲなので、どこに刺さったのかを見つけることさえ困難です。私は初めてこれをスーパーで見た時、何も知らずに好奇心で思いっきり触ってしまい、数日間手のひらがピリピリと傷んで死ぬ思いをしたことがあります。スーパーにはビニール手袋が置いてあるので、それを使ってそっと掴むようにしましょう。自宅で皮を剥くときは、フォークで押さえるか、キッチンペーパーや新聞紙等を折りたたんで使いましょう。黒いトゲトゲのない部分をそっと指で押さえて固定することもできますが、指の太い人や指先での精密作業が苦手な人は迷わずフォークを使いましょう。
まずは実をまな板の上に横向きに寝かせて押さえ、頭とお尻の部分を切り落とします。そのあと実を半分に切って中身をスプーンですくって食べるのが一番簡単な方法です。ただし常にフォークで押さえるのを忘れずに。もっと安全に食べたいならば、お尻を落とした部分を下にしてまな板に実を立てて、頭の部分を押さえながら上から下へ皮を削ぐように剥いていきます。剥いた皮を捨てるときも、素手ではなく菜箸や紙を使って直接触れないようにします。



こんな危険を冒してまで食べることはない!と思われるでしょうが、完熟したウチワサボテンの実のさわやかな甘さは何ともクセになるもので、一度食べるとまた食べたくなるのです。旅行中にどこかで見かけたら是非試してみてください。地中海沿岸で野生のものが見つかることもありますが、摘むときは装備を整えるのを忘れずに!ちなみにウチワサボテンの実は追熟しないので、完熟した赤っぽい色のものを選びましょう。





+企業の商品開発アンケートやサンプル商品調査に参加して、ポイントに応じて現金や商品がもらえます+
マクロミルへ登録

Home 日常生活 観光、旅行 お料理、レシピ その他あれこれ


Copyright(C) 2012 Washira All Rights Reserved. フリー素材*ヒバナ *  *
inserted by FC2 system