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朝食に出るお国柄

朝食は皇帝のように Frühstück wie ein Kaiser

昼食は国王のように Mittagessen wie ein König

夕食は乞食のように Abendessen wie ein Bettler



国王より皇帝のほうが
偉いのね
これはドイツの有名なことわざです。一日しっかり働くために朝は皇帝のように豪勢に食べ、午後もまだまだ活動するために昼は国王のようにたっぷりと食べ、後は寝るだけの夜は乞食のように質素に済ませればいい、という何ともドイツらしいお話です。確かにドイツの朝ごはんは様々な種類のパンに各種ソーセージとチーズ、新鮮な茹で卵、サラダや果物が付いて飲み物もコーヒーのほかにジュースがあったり、ホテルはもちろん一般家庭でもかなり豪華です。所変わってイタリアでは、ことわざがあるか無いかは知りませんが、見た限り乞食の朝食、国王の昼食、皇帝の晩餐といった感じでドイツと昼夜が逆転しています。イタリアに休暇に出かけるドイツ人がしばしばパンとソーセージを持参するのはそのためです。それでは、各国の朝食の場面を詳しく見てみましょう。


ドイツの朝食
ドイツの朝食に欠かせないのは何といってもカリっと焼けたプチパン「ブロートヒェン(Brötchen)」。パン屋さんは朝6時から開いているので、毎朝焼き立てパンを買いに行く人もたくさんいます。プチパンではなく大きな黒パンを買ってスライスする人もいるし、両方食べる人もいます。パンの種類は数えきれないほどたくさんあり、初めてパン屋さんに入ると全部美味しそうで1つに選べません。ドイツ人は自分のお気に入りのパンの種類が決まっているので大抵毎日同じパンを選びます。
さて、パンを用意したら次はおかず。基本はまずバターを塗ること。乗せるものが肉類でも甘いジャムでも、バターは絶対不可欠で、それもちょっぴり薄く塗るのではなく豪快に厚塗り。肥満と糖尿病が社会現象になりつつあるのも納得です。バターなしでパンを食べるドイツ人には今までお目にかかったことがありません。例外はうちの旦那。彼は子供のころ胃が弱かったのに朝晩厚塗りバターのパンを無理やり食べさせられてすっかりバター嫌いになったそうです。
話を戻して、バターの次は乗せるもの。お肉類もパンに負けず劣らず様々な種類があります。リヨナーソーセージの薄切り風や、いわゆるサラミ、モモハム系、生ハム系、ナッツやキノコが入ったソーセージ、コンビーフやスパム系のもの、アスピック、レバーペーストなど目が回るくらい。チーズはオランダのゴーダチーズ、フランスの白カビチーズなど外国のものがたくさん売られていて、いわゆる「ドイツチーズ」なるものは見かけません。ジャムも各種あり、基本のイチゴやアンズなどに加えてルバーブやスグリなど日本では珍しい果物も人気です。ハチミツや塗るチョコレートも当然あるので甘党は朝からしっかり糖分補給ができます。
それから卵。アメリカではよく目玉焼きかスクランブルエッグか又はオムレツか、と聞かれますが、ドイツはほとんど茹で卵。ただし、茹で時間にはこだわりがあり、半熟、固茹で、半熟気味の固茹で、固茹で気味の半熟と好みは人それぞれです。
更にシリアルやトマト、ピクルスなどの野菜、リンゴ、バナナ、オレンジと言った果物やカップヨーグルトが食卓にのぼることもしばしば。若者はドイツパンではなくアメリカントーストと呼ばれるいわゆる「食パン」をトースターで焼いて食べるのを好んだりもします。
飲み物の基本はコーヒーで、どの家庭にも必ずコーヒーメーカーがあります。砂糖は入れずにミルク(普通の牛乳)のみが一般的。ドイツ人は世界で一番コーヒー消費量が多い民族だとか。紅茶を飲む人はほとんどいません。カモミールティーなどのハーブティーや、果物ジュース、又はミネラルウォーターを飲む人もいます。
ドイツを旅行すると、どんな安ホテルでも朝食ビュッフェは豪華で外れがありません。スーパーには美味しそうなハム類が山ほどあるし、肉屋やパン屋でサンドイッチを買うのも1つの手。最近は家族みんなでゆっくり朝食を取る家庭が減ってきましたが、できれば皇帝のようにゆっくり豪華に楽しみたいものです。



スイスの朝食
スイスの朝食もプチパンか黒パンにバター、肉類、チーズ、ジャムで基本的にドイツと変わりません。チーズはさすがに種類が豊富で有名なエメンタール、グリュイエール、アッペンツェラー、ティルズィターを始め様々なアルペンチーズ、地域の特産チーズや季節のハーブチーズなど、味も形もよりどりみどり。ヤギやヒツジのチーズもあります。
忘れてはいけないのは、果物のたくさん入ったシリアルのような「ミュースリ」。語源は混ぜる(ミックス)という単語で、その名の通り大麦ライ麦カラス麦など様々な穀類と、ゴマやクルミなどナッツ類、レーズンや干しアンズ、生のリンゴや洋ナシを全部混ぜ合わせて牛乳やヨーグルトでふやかした独特のものです。
何をどう混ぜるかは好みで決めるのですが、一番有名なものは「ビルヒャーミュースリ(Birchermüsli)」と言い、1900年にスイス人のマクシミリアン・オスカー・ビルヒャー・ベナー氏により病院食として考案されました。消化のよいオートミールに新鮮なリンゴ、栄養価の高いヘーゼルナッツとアーモンドを加え、水とコンデンスミルクでふやかしたものが最初のレシピです。今日のミュースリは病人はもちろん、老若男女問わず朝食に、軽食に、おやつに、夜食に、ダイエットや菜食主義に幅広く愛される立派なスイス料理として知られています。


イタリアの朝食
イタリア人の朝食は質素簡潔。通勤通学途中にバール(喫茶店)でカプチーノとブリオッシュ(クロワッサン)を立ち食いするか、家でコーンフレークやシリアルを流し込むかカップのヨーグルトを1つ食べておしまい。子供は食パンにヌテッラというチョコレートクリームをたっぷり塗ったものと牛乳という手もあります。市販のマフィン(プルムケーキという名前で売られています)で済ませる人も。たぶんイタリア人は遅めの夕食を皇帝のごとく豪華に食べて夜中まで起きているから、
朝になってもお腹が空かないのでしょう。ドイツ人やスイス人は夕方6時過ぎに質素な夕食を取るだけなので朝は腹ペコ、しっかり食べないと体が持ちません。イタリアでは晩御飯が夜10時に始まるのも当たり前なので、朝はむしろコーヒーで目を覚まし糖分でアルコールを分解するくらいがちょうどいいのかも知れません。初めてイタリアを旅行したとき、ホテルの朝食がかなり質素でガッカリした経験がある人も多いでしょう。逆にイタリア生活に慣れると朝はカプチーノとブリオッシュがないと始まりません。ちなみにブリオッシュにはプレーン、バニラクリーム、チョコクリーム、アプリコットジャム、ラズベリージャム、雑穀、などの種類があり、お気に入りの味が売り切れだと朝からガックリきます。





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