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春の野菜 アグレッティ agretti

野菜だけど
海藻みたい
イースター(3月中旬から4月中旬の間で毎年異なる移動祝日)の前後1カ月くらい限定で店先に並ぶ不思議な野菜、アグレッティ。毎年春になるとスーパーで気になっていたものの、けっこう高いしネギともコンブとも言えない見た目で、味も調理法も見当がつかないので買わずじまいでしたが、ある年ついに決心して一束を手に取り、売り場のおじさんにこれはどうやって食べるのか聞いてみました。
答えは「洗って根っこを取ってから、茹でてオリーブオイルで食べるとおいしいよ」と実に簡単。ちなみに値段も、1キロあたり4ユーロなので高そうに見えましたが、一束は200グラム程度なので払ったのは90円くらいでした。
家に帰ってもうちょっとアグレッティについて調べてみると、中部イタリアを中心に出回る春の野菜で、「修道士のヒゲ」などと呼ばれる高級野菜であること、塩分を含み、日本語では「オカヒジキ」と訳されること(ドイツ語でも Italienisches Salzkraut つまりイタリアン・オカヒジキという訳でした)、食べ方は茹でてレモンとオリーブオイル、塩コショウで味付けするのが基本で、肉料理の付け合わせに使われること、などが分かりました。海外ではどうも流行りのイタリア野菜らしく、種もけっこう出回っています。栽培はなかなか難しいとか。
さて、葉の物ですし、新鮮なうちに早速調理してみましょう。しかしここで既に挫折しそうになりました。根っこの部分が写真で見るよりかなり泥だらけで、それもサラっとした砂ではなく粘土状の硬い泥、しかも小石が混ざっていたりして、1本1本洗うのはものすごく大変です。赤い部分は硬いのでどうせ落としてしまうから、洗う途中でバッサリ切り落としましたが、それでもまだ泥が至る所に付いている・・・かなりの手間と水を使って何とかきれいになりました。鍋にお湯をたっぷり沸かして塩を1つまみとアグレッティを入れて2分ほどサッと茹で、水気を切ってからオリーブオイルと塩コショウだけでシンプルに味付けして食べてみます。見た目からはムニュムニュなものを連想しましたが、シャキシャキとした歯触りで心地よい食感。春の野菜だから少しだけ苦味、エグ味があり、素材そのものの塩気も感じられます。ほうれん草に多少似た風味でしょうか。慣れるととても好きな味です。お醤油で和風の味付けにしても合うと思います。

「坊さんのヒゲ」なんだから「天使の髪の毛」カッペリーニ(素麺のような極細のロングパスタ)に合わせて一緒に茹でたら面白いのでは、と思い、試してみました。カッペリーニの茹で時間はたった3分なので、パスタとアグレッティを同時に茹でてしまいます。多少アクが出ますが気にしません。茹で上がったらオリーブオイル、塩コショウとレモンでシンプルに味を整え、エビとパプリカのソテーとクリームチーズを添えました。ヒゲと髪の毛が混ざってとても美味しい。是非試してみてください。



ちなみに私が極細パスタ・カッペリーニに初めて出会ったのは、池袋のイタリアンレストランでした。大学の入学式、母が来るはずでしたが日付が妹の高校入学式と重なってしまったため、父が会社を休んで出席してくれ、帰りにちょっと美味しいものを食べようとイタリアンのフルコースランチをいただきました。そこでセコンドに出てきたのが上品なカニのソースで和えたカッペリーニで、それまでいわゆる普通の太さの「スパゲッティ」しか知らなかった私はこの世にこんな美味しいパスタがあったのか!と、深く感動したのを覚えています。今やイタリアの巨大なパスタ売り場を埋め尽くすありとあらゆる形状のパスタを網羅して使い分けている自分も、昔はそういう幸せがあったんだなぁ。





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